Japanese
English
症例報告
多発皮膚立毛筋性平滑筋腫の1例
A case of multiple cutaneous piloleiomyoma
土橋 人士
1
,
長谷川 敏男
1
,
原 貴恵子
2
,
池田 志斈
1
Hitoshi TSUCHIHASHI
1
,
Toshio HASEGAWA
1
,
Kieko HARA
2
,
Sigaku IKEDA
1
1順天堂大学医学部皮膚科学教室
2順天堂大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Pathology, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚立毛筋性平滑筋腫
,
多発
Keyword:
皮膚立毛筋性平滑筋腫
,
多発
pp.319-322
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103940
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要約 42歳,女性.既往に子宮筋腫がある.20年前より徐々に増数する左上肢の皮疹を主訴に来院した.初診時,左上腕伸側から前腕まで赤褐色,弾性硬の小結節が多発していた.掻痒,圧痛は無い.家族内に同症はみられない.末梢血では小球性低色素性貧血があり,血中エストラジオールは428pg/mlであった.皮膚病理組織学的に真皮全層にわたり,異型性のない紡錘形細胞からなる腫瘍塊が存在した.特殊染色で腫瘍細胞は,平滑筋アクチン,デスミン,ビメンチン陽性,Masson-trichrome染色で赤色,elastica-van Gieson染色では黄色を呈した.エストロゲンレセプター発現は陰性であった.以上より多発性皮膚立毛筋性平滑筋腫と診断した.自験例は左上肢に限局して立毛筋平滑筋腫が多発しており,興味深い臨床像を呈していた.2010年までに多発性立毛筋性平滑筋腫145例が報告されている.
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