Japanese
English
症例報告
集学的治療を行った難治性下腿潰瘍を伴うクリオグロブリン血症の1例
A case of cryogloblinaemia with refractory leg ulcers, successfully treated by multidisciplinary therapies
松本 考平
1
,
亀井 利沙
1
,
溝口 奈穂
1
,
中井 大介
1
,
池上 隆太
1
,
岡 樹史
2
Kohei MATSUMOTO
1
,
Risa KAMEI
1
,
Naho MIZOGUCHI
1
,
Daisuke NAKAI
1
,
Ryuta IKEGAMI
1
,
Tatsuhumi OKA
2
1大阪厚生年金病院皮膚科
2大阪厚生年金病院内科
1Division of Dermatology, Osaka Kosei-Nenkin Hospital, Osaka, Japan
2Division of Internal Medicine, Osaka Kosei-Nenkin Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
クリオグロブリン血症
,
クリオフィルトレーション
,
マクログロブリン血症
,
リツキシマブ
Keyword:
クリオグロブリン血症
,
クリオフィルトレーション
,
マクログロブリン血症
,
リツキシマブ
pp.223-228
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103913
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要約 61歳,女性.既往歴にB型肝炎と関節リウマチがある.初診1年前より両下腿から足背にかけて紫斑が出現した.1か月前から右下腿外側に小潰瘍もみられるようになり,次第に拡大増数したため当科紹介となった.下腿・足背に網状皮斑と大小の打ち抜き潰瘍を認め,病理組織学的に真皮全層の白血球破砕性血管炎の像を呈していた.IgM 863mg/dl,RF 2,162IU/dl,IgM-κ型M蛋白とIgGの混合型(Ⅱ型)クリオグロブリン血症があり,末梢血,骨髄中にモノクローナルなB細胞の腫瘍性増殖を認め,血液内科にてマクログロブリン血症と診断され原疾患と考えられた.プレドニゾロン30mg/日や低温サウナ療法を開始したが難治であった.クリオフィルトレーションを試みたところIgM値・クリオクリット値は速やかに改善し,潰瘍は2か月後に上皮化した.半年後,原疾患であるマクログロブリン血症に対してリツキシマブ,シクロホスファミドを用いた化学療法を施行し,IgM・クリオクリット値は安定した.冬季は保温に努めており,皮疹の再燃はない.クリオグロブリン血症による皮膚症状の病勢と,原疾患の病勢を十分に吟味し治療指針を立てることが重要と考えた.
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