Japanese
English
症例報告
膵頭部腫瘍の診断契機となった皮下結節性脂肪壊死症の1例
A case of subcutaneous nodular fat necrosis that triggered diagnosis of pancreatic head neoplasm
張田 修平
1
,
猿田 祐輔
1
,
荻原 麻里
1
,
小野 蘭
1
,
大歳 晋平
1
,
渡辺 秀晃
1
,
末木 博彦
1
Shuhei HARITA
1
,
Yusuke SARUTA
1
,
Mari OGIHARA
1
,
Ran ONO
1
,
Shinpei OTOSHI
1
,
Hideaki WATANABE
1
,
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
膵癌
,
皮下結節性脂肪壊死症
,
膵酵素
,
デルマドローム
Keyword:
膵癌
,
皮下結節性脂肪壊死症
,
膵酵素
,
デルマドローム
pp.991-995
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205886
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要約 82歳,男性.S状結腸癌術後3年で多臓器転移を伴っていた.初診の2週間前より全身倦怠感と両下腿の皮下結節が出現した.現症:右下腿に母指頭大のドーム状に隆起する暗紅色皮下結節を2個認めた.弾性硬に触知し,圧痛を伴っていた.転移性皮膚癌,好中球性皮膚症を考え生検した.組織学的に好中球・組織球を中心とした小葉性脂肪織炎を認め,ghost-like cellを混じていた.膵酵素上昇(アミラーゼ1,619U/l,Pアミラーゼ1,611U/l)とCT上で膵頭部の腫瘤,膵管拡張がみられた.以上より膵頭部腫瘍に伴った皮下結節性脂肪壊死症と診断した.根本治療は膵疾患の治療が原則であるが,自験例では対症療法のみで軽快した.本疾患は膵疾患患者の中では稀であるが,他の臨床所見に先行して皮疹が認められる場合があり,デルマドロームとして重要である.
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