Japanese
English
症例報告
胃癌を後発し郭清リンパ節にも類上皮細胞肉芽腫がみられたサルコイドーシスの1例
A case of sarcoidosis complicated by gastric carcinoma with sarcoidal epithelioid cell granuloma in regional lymph nodes
平井 郁子
1
,
崎山 とも
1
,
木花 光
1
,
原田 浩
2
,
宮沢 直幹
3
Ikuko HIRAI
1
,
Tomo SAKIYAMA
1
,
Akira KONOHANA
1
,
Hiroshi HARADA
2
,
Naoki MIYAZAWA
3
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院外科
3済生会横浜市南部病院呼吸器内科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Surgery, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
3Division of Respiratory Medicine, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
サルコイドーシス
,
サルコイド反応
,
悪性腫瘍
Keyword:
サルコイドーシス
,
サルコイド反応
,
悪性腫瘍
pp.873-877
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103788
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要約 71歳,男性.5年前より頭頂部に掻痒を伴う皮疹があった.3か月前より食欲不振が続き胃生検でtubular adenocarcinomaと診断された.術前のCTでは縦隔リンパ節が腫大し,ガリウムシンチグラムで集積を認めた.また,血清ACE活性,リゾチームは高値であった.頭頂部の不整形紅斑から生検し非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシスと診断した.早期胃癌に対し根治術を施行した際,郭清したリンパ節の一部に類上皮細胞肉芽腫が充満しており,悪性腫瘍に伴うサルコイド反応と鑑別を要した.自験例はサルコイドーシスのリンパ節に特徴的な,リンパ節全体に多発充満する境界明瞭な肉芽腫像を呈していたことより,組織学的にもサルコイドーシスのリンパ節浸潤と診断した.両者の鑑別には,サルコイドーシスの基準を満たす全身症状の有無の評価をした上で,典型的な所見であれば組織学的にも鑑別しうると思われた.
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