Japanese
English
症例報告
慢性C型肝炎患者へのペグインターフェロンα-2bとリバビリンによる併用療法中に生じた薬疹に,シクロスポリンが奏効した1例
A case of drug eruption due to pegylated interferon alpha 2b plus ribavirin combination therapy against chronic hepatitis C:Successful administration of cyclosporine
丸山 涼子
1
,
藤川 大基
1
,
下村 尚子
1
,
大越 章吾
2
,
佐藤 信之
1
,
伊藤 雅章
1
Ryoko MARUYAMA
1
,
Hiroki FUJIKAWA
1
,
Naoko SHIMOMURA
1
,
Shogo OGOSHI
2
,
Nobuyuki SATO
1
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
2新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
1Department of Dermatology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Science, Niigata, Japan
2Department of Gastroenterology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Science, Niigata, Japan
キーワード:
ペグインターフェロンα-2b
,
リバビリン
,
慢性C型肝炎
,
薬疹
,
シクロスポリン
Keyword:
ペグインターフェロンα-2b
,
リバビリン
,
慢性C型肝炎
,
薬疹
,
シクロスポリン
pp.395-398
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103664
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要約 55歳,男性.慢性C型肝炎に対して,ペグインターフェロン(pegylated interferon:PEG-IFN)α-2bの週1回の皮下注射とリバビリン内服療法を開始した.併用療法開始4週間後にHCV-RNA量は陰性となった.皮下注射初回より,注射部位の左上腕に掻痒を伴う紅斑が出現したが,併用療法は継続された.治療開始6週後より全身に紅斑が拡大した.現病歴,臨床像,および生検病理組織像より,PEG-IFN α-2bの皮下注射とリバビリン内服の併用療法を契機とした薬疹と診断し,併用療法を中止した.また患者は重症糖尿病を合併していたため,ステロイドの全身投与を行わず,シクロスポリンを経口投与した.治療開始後,全身の紅斑は軽快し,シクロスポリン投与による副作用も出現しなかった.患者の抱える合併症により,ステロイドの全身投与が適切でない場合,PEG-IFN α-2bの皮下注射と,リバビリン内服の併用療法による皮膚症状に対して,シクロスポリンの投与は有用であると考えた.
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