Japanese
English
症例報告
系統的皮膚生検が診断・治療方針決定に有用であった毛孔性扁平苔癬の1例
Systematic histopathological investigation enabled the diagnosis and effective treatment in a case of lichen planopilaris
福田 理紗
1
,
横山 知明
1
,
海老原 全
1
,
桜岡 浩一
2
,
大山 学
1
Risa FUKUDA
1
,
Tomoaki YOKOYAMA
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
,
Koichi SAKURAOKA
2
,
Manabu OHYAMA
1
1慶應義塾大学皮膚科
2桜岡医院皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
毛孔性扁平苔癬
,
系統的皮膚生検
,
バルジ領域
Keyword:
毛孔性扁平苔癬
,
系統的皮膚生検
,
バルジ領域
pp.405-409
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103666
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要約 41歳,女性.既往に抗リン脂質抗体症候群あり.2年前より前頭部と頭頂部に脱毛斑が出現した.臨床像から剣創状強皮症などの膠原病に伴う脱毛症を疑われ当科を紹介され受診した.初診時,ダーモスコピーにて毛孔が明らかではない脱毛斑を前頭部,頭頂部に認め,瘢痕性脱毛を疑った.診断確定のため,縦断面,横断面切片を得る系統的皮膚生検を施行した.炎症は脱毛部に限局しておりステロイド局注(2.5mg/lケナコルト全量1~2mlを約30~50か所に分けて)を治療として選択した.横断面標本でダーモスコピーにて瘢痕化が示唆された部分にも組織学的に毛孔構造が残存していたことから,積極的に脱毛斑全体に局注を施行し,再発毛を得た.縦断面標本で知りえた炎症の深さを考慮し皮膚萎縮などの副作用なくステロイド局注を遂行できた.系統的皮膚生検の瘢痕性脱毛症の診断・治療方針の決定における有用性について考察を加え報告する.
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