Japanese
English
症例報告
左乳頭乳輪部に発生したBowen病の1例
A case of Bowen's disease arising in the left mammary areola
嘉山 智子
1
,
遠藤 雄一郎
1
,
藤澤 章弘
1
,
谷岡 未樹
1
,
宮地 良樹
1
Tomoko KAYAMA
1
,
Yuichiro ENDO
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
Bowen病
,
乳頭乳輪部
,
p16過剰発現
,
HPV免疫染色
Keyword:
Bowen病
,
乳頭乳輪部
,
p16過剰発現
,
HPV免疫染色
pp.261-264
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103570
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要約 72歳,女性.初診の約5年前より左乳房外側に掻痒を伴う母指頭大の紅斑が出現し,次第に拡大してきた.初診時,左乳頭乳輪部から乳房に連続した辺縁不整,境界不明瞭な最大径75×55mmの鱗屑を伴う紅斑を認めた.病理組織像では表皮全層に角化細胞の配列の乱れと核異型がみられ,さらに異型核分裂像や多核細胞も認めたためBowen病と診断した.発生部位から当初は乳房Paget病を疑ったが,免疫染色でp63陽性,CK19陰性,CK7陰性であったのでPaget病を否定した.自験例では基底層の細胞でのp16過剰発現が確認された.乳輪乳頭部という外陰部と同様アポクリン汗器官に発生したことからhuman papillomavirus(HPV)感染の可能性を考えたがHPV免疫染色は陰性であった.自験例では乳頭乳輪部という特異的な部位に発症しp16が過剰発現していたが,HPVの関与は確認できなかった.
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