Japanese
English
症例報告
腎機能正常者の帯状疱疹治療中にみられたアシクロビル脳症の1例
A case of acyclovir encephalopathy in a patient with herpes zoster having normal renal functions
松村 伸
1
,
野網 淑子
1
,
堀米 玲子
1
,
桃井 浩樹
2
Shin MATSUMURA
1
,
Sugiko NOAMI
1
,
Reiko HORIGOME
1
,
Hiroki MOMOI
2
1飯田市立病院皮膚科
2飯田市立病院脳神経内科
1Division of Dematology, Iida Municipal Hospital, Iida, Japan
2Division of Neurology, Iida Municipal Hospital, Iida, Japan
キーワード:
アシクロビル脳症
,
腎機能正常
Keyword:
アシクロビル脳症
,
腎機能正常
pp.265-268
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103571
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要約 79歳,女性.右三叉神経III枝,第2頸神経領域の帯状疱疹と診断され,常用量のバラシクロビルを3,000mg/1日内服を開始した.翌日から,寒気,ふらつき,食欲不振などが生じ入院した.治療をアシクロビル点滴静注に変更して250mgを1回投与したのち,意識状態の急速な悪化がみられた.諸検査で帯状疱疹に伴う髄膜炎・脳炎,そのほかの感染症や脳梗塞などの器質的な疾患は否定的であった.アシクロビル点滴を入院2日目(計2回,500mg投与後)に中止したところ,速やかに意識状態の改善が得られた.全経過中,腎機能は正常であった.自験例は,腎機能正常者であっても,アシクロビル脳症を発症する可能性があることを示す稀な1例と考えた.
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