Japanese
English
症例報告
冠動脈interventional radiology施行後に生じた難治性放射性皮膚炎の2例
Two cases of chronic radiation dermatitis following coronary interventional radiology
嘉山 智子
1
,
藤澤 章弘
1
,
谷岡 未樹
1
,
宮地 良樹
1
Tomoko KAYAMA
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科
1Department of Dermatology,Graduate School of Medicine,Kyoto University,Kyoto,Japan
キーワード:
interventional radiology
,
慢性放射性皮膚炎
,
難治性紅斑
Keyword:
interventional radiology
,
慢性放射性皮膚炎
,
難治性紅斑
pp.593-597
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103357
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要約 冠動脈interventional radiology(IVR)におけるX線透視により生じた背部の慢性放射性皮膚炎の2症例を報告した.症例1:61歳,男性.13回のIVRを受け13回目の透視時間は405分であった.症例2:79歳,男性.5回のIVRを受け透視時間は不明であったが長時間であった.いずれの症例も背部に四角形の紅斑びらんがみられ,症例1はステロイドやプロスタグランディン製剤など種々の外用剤による保存的加療を行っているが,10年以上の時を経てなお掻痒感が続き難治性のびらんがみられる.症例2は生検施行部位が潰瘍となり2か月後も同部位の上皮化がみられていない.どちらの症例もIVRにより放射線皮膚障害を引き起こす線量の被曝があったと推定される.循環器医と皮膚科医が連携し,慢性放射性皮膚炎の発生の減少および速やかな診断に努めることが重要である.われわれの2症例は背部に四角形の紅斑を生じていることが特徴であり,同様の症状をみた場合にはIVRの既往がないか患者に確認する必要がある.
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