Japanese
English
症例報告
シクロホスファミドにより多発性固定薬疹様の表皮障害をきたした1例
A case of cyclophosphamide-induced epidermal damage resembling multiple fixed drug eruption
小田 富美子
1
,
藤山 幹子
1
,
徳丸 晶
1
,
村上 信司
1
,
木谷 彰岐
2
,
橋本 公二
1
,
佐山 浩二
1
Fumiko ODA
1
,
Mikiko TOHYAMA
1
,
Sho TOKUMARU
1
,
Shinji MURAKAMI
1
,
Aki KITANI
2
,
Koji HASHIMOTO
1
,
Koji SAYAMA
1
1愛媛大学医学部皮膚科
2愛媛大学医学部整形外科学教室
1Department of Dermatology, Ehime University of Medicine, Toon, Japan
2Department of Orthopedics, Ehime University of Medicine, Toon, Japan
キーワード:
シクロホスファミド
,
多発性固定薬疹
,
薬剤リンパ球刺激試験
,
抗癌剤の皮膚障害
Keyword:
シクロホスファミド
,
多発性固定薬疹
,
薬剤リンパ球刺激試験
,
抗癌剤の皮膚障害
pp.677-681
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103380
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要約 53歳,女性.VAC療法(硫酸ビンクリスチン,アクチノマイシンD,シクロホスファミド)の7日後より口腔内びらん,翌日より40℃以上の高熱と耳介,左肘に表皮剝離が出現した.半年後のVAC療法でも5日目より口腔内びらんが出現し,拡大した.その後,40℃以上の発熱と,前回VAC療法施行時と同部位に表皮剝離が出現した.コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1,000mg/日の3日間投与,その後プレドニゾロン内服により軽快した.第21病日の薬剤リンパ球刺激試験は,シクロホスファミドのみ陽性であった.臨床像は多発性固定薬疹様であったが,薬剤投与後発症までの期間が長いこと,荷重部を中心に皮疹を認めたこと,病理組織学的に表皮ケラチノサイトの変性壊死を認めない基底細胞の液状変性が主体であったことよりシクロホスファミドによる表皮障害と考えた.
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