Japanese
English
今月の症例
自然消退した巨大腫瘤を呈した若年性黄色肉芽腫の1例
A case of giant solitary juvenile xanthogranuloma presenting spontaneous regression
薬師寺 直喜
1
,
森 秀樹
2
,
白方 裕司
2
,
村上 信司
2
,
橋本 公二
2
,
佐山 浩二
2
Naoki YAKUSHIJI
1
,
Hideki MORI
2
,
Yuji SHIRAKATA
2
,
Shinji MURAKAMI
2
,
Koji HASHIMOTO
2
,
Koji SAYAMA
2
1市立宇和島病院皮膚科
2愛媛大学大学院医学系研究科感覚皮膚医学
1Division of Dermatology, Uwajima City Hospital, Uwajima, Japan
2Department of Dermatology, Ehime University Graduate School of Medicine, Toon, Japan
キーワード:
若年性黄色肉芽腫
,
巨大腫瘤
,
自然消退
Keyword:
若年性黄色肉芽腫
,
巨大腫瘤
,
自然消退
pp.103-107
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103531
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要約 20生日,男児.生下時より右足関節外側に紅色腫瘤を認め,血管腫疑いにて紹介され受診した.右足関節に30mmの内部が紅色調で,周囲が常色~淡青色で多毛を伴う皮膚腫瘤を認めた.病理組織像では,真皮全層にわたって組織球様細胞と泡沫細胞が浸潤し,Touton型巨細胞が混在していた.免疫組織染色にて腫瘍細胞はビメンチン,CD68,α1アンチトリプシン陽性,S100蛋白陰性で,黄色腫細胞と考えられた.生後10か月の時点で著明に増大したが,1歳10か月には淡褐色軟腫瘤となり縮小傾向がみられた.2歳10か月時では浸潤を触れる橙色局面となり,3歳10か月時ではほとんど浸潤を触れなくなった.本邦報告例中最大級の腫瘤像を呈した単発型若年性黄色肉芽腫の1例であるとともに,全切除をすることなく長期間経過観察できた症例である.巨大若年性黄色肉芽腫の場合でも自然消退を期待して経過観察することが大切である.
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