Japanese
English
症例
中毒性表皮壊死症への進展が危惧された汎発性水疱性固定薬疹の1例
Generalized bullous fixed drug eruption with possible risk for progression to toxic epidermal necrolysis
豊田 香里
1
,
石川 武子
1
,
深谷 早希
1
,
林 耕太郎
1
,
鎌田 昌洋
1
,
大西 誉光
1
,
多田 弥生
1
Kaori TOYOTA
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Saki FUKAYA
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学,皮膚科学講座(主任:多田弥生教授)
キーワード:
固定薬疹
,
多発性固定薬疹
,
汎発性水疱性固定薬疹
,
中毒性表皮壊死症
Keyword:
固定薬疹
,
多発性固定薬疹
,
汎発性水疱性固定薬疹
,
中毒性表皮壊死症
pp.1663-1666
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002889
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50歳,男性。発熱と頭痛で12日前から2日間感冒薬を内服した。8日前に右腋窩と左前腕の水疱に気付き,5日前に増数した。1日前より39.7℃の発熱と全身の潮紅が生じた。4カ所に浸潤を触れる境界明瞭な暗紅褐色の大型紅斑があり,体表面積の約13%を占め,水疱をのせていた。粘膜疹はなかった。感冒薬の薬剤リンパ球刺激試験は685%だった。病理組織像では液状変性と表皮下水疱があり,真皮乳頭層から脂肪織上層にかけて密にリンパ球,組織球,好酸球が浸潤していた。プレドニゾロン1mg/kg/日内服を行い,速やかに症状は改善した。本症の急性期はStevens-Johnson症候群・Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症overlapとの鑑別に苦慮するが違いはある。しかし,中毒性表皮壊死症に準じたステロイドの全身投与が必要な例もある。
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