Japanese
English
症例報告
インフリキシマブによる薬剤性肺炎の合併が疑われた関節症性乾癬の1例
A case of psoriatic arthritis complicated with infliximab-associated pneumonia
大橋 理加
1
,
楠葉 展大
1
,
辻岡 馨
1
,
中川 淳
2
,
古田 健二郎
2
,
百名 克文
3
Rika OHASHI
1
,
Nobuhiro KUSUBA
1
,
Kaoru TSUJIOKA
1
,
Atsushi NAKAGAWA
2
,
Kenjiro FURUTA
2
,
Katsufumi HYAKUNA
3
1日本赤十字社和歌山医療センター皮膚科
2日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器内科
3日本赤十字社和歌山医療センター整形外科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Society Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
2Division of Respiratory Medicine, Japanese Red Cross Society Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
3Division of Orthopedics, Japanese Red Cross Society Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
キーワード:
関節症性乾癬
,
インフリキシマブ
,
薬剤性肺炎
Keyword:
関節症性乾癬
,
インフリキシマブ
,
薬剤性肺炎
pp.682-686
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103381
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要約 56歳,女性.2年来の臀部を中心とする落屑性紅斑,その後出現した手指の関節変形,関節痛より,関節症性乾癬と診断した.スクリーニング諸検査で問題なく,インフリキシマブの投与を開始したところ,皮膚症状,関節症状ともに著明に改善した.しかし,5回目投与後より咳嗽が出現し,胸部CTにて気管支血管束の肥厚を伴う両肺びまん性陰影を認めた.気管支鏡検査を施行したが,細菌学的,病理組織学的に有意な所見が得られず,クオンティフェロンテスト陰性であったことから結核を含めた感染症は否定的と考えた.本剤を中止したところ自覚症状が徐々に消失し,その後,画像所見の改善も認めたことから,本剤による薬剤性肺炎であったと考えた.なお中止後,皮膚症状,関節症状ともに再燃した.インフリキシマブによる肺障害は,乾癬患者においてはまだあまり報告がないが,呼吸器症状の鑑別診断において注目するべき副作用の1つである.
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