Japanese
English
症例報告
男性型脱毛症を発症し,その後卵巣腫瘍が発見された女性例
A female case of androgenic alopecia associated with ovarian tumor
古賀 宣江
1
,
落合 宏司
1
,
大津 詩子
1
,
清金 公裕
1
,
森脇 真一
1
Sumie KOGA
1
,
Hiroshi OCHIAI
1
,
Utako OTSU
1
,
Kimihiro KIYOKANE
1
,
Shinichi MORIWAKI
1
1大阪医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Osaka Medical College,Osaka Japan
キーワード:
男性型脱毛症
,
高テストステロン血症
,
Sertoli-Leydig細胞腫
,
卵巣腫瘍
Keyword:
男性型脱毛症
,
高テストステロン血症
,
Sertoli-Leydig細胞腫
,
卵巣腫瘍
pp.513-516
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103334
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 60歳,女性.初診の約1年前より毛髪が疎になり,顎髭が目立ちはじめてきたため2008年8月精査を希望して当科を受診した.初診時,前頭部,後頭部にかけて大小,不正形の脱毛斑が多数存在していた.脱毛部に病毛は認めず,軟毛化していた.左右頰部下部,下顎部には硬毛がみられ,嗄声であった.以上の所見を男性化徴候と考え,女性に生じた男性型脱毛症を強く疑った.当院産婦人科にコンサルトしたところ血中テストステロンの異常高値を指摘され,精査にてホルモン産生卵巣腫瘍(Sertoli-Leydig細胞腫)が発見された.卵巣腫瘍摘出術施行3か月後には脱毛は軽快傾向を示した.本症例においては卵巣腫瘍が産生したテストステロンにより,男性型脱毛症などの男性化徴候を示したと考えられた.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.