Japanese
English
症例報告
末梢動脈疾患の初発症状として陰茎壊死を生じた1例
A case of penile necrosis as an initial symptom of peripheral arterial disease
劉 祐里
1
,
藤澤 章弘
1
,
谷岡 未樹
1
,
是枝 哲
1
,
松村 由美
1
,
宮地 良樹
1
Yuri RYU
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Satoshi KOREEDA
1
,
Yumi MATSUMURA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology,Graduate School of Medicine,Kyoto University,Kyoto,Japan
キーワード:
陰茎壊死
,
末梢動脈疾患
,
糖尿病
,
血液透析
,
腎不全
Keyword:
陰茎壊死
,
末梢動脈疾患
,
糖尿病
,
血液透析
,
腎不全
pp.411-415
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103307
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 56歳,男性.20年来の糖尿病による腎不全のため皮膚科初診の8年前より血液透析を行っていた.皮膚科初診の1週間前より亀頭部の疼痛,発赤を自覚した.初診時は単純疱疹を疑ったが,2週間後には亀頭部の壊死が生じた.血管造影検査にて末梢動脈疾患による陰茎壊死と診断し,初診から7週間後に陰茎切断となった.9週間後に両手足の疼痛,チアノーゼが出現した.その後,手指,足趾の感染,切断を繰り返し,初診の1年5か月後,心不全により死亡した.陰茎は豊富な血流が供給され,壊死をきたすことはきわめて稀である.陰茎壊死は全身性の高度な動脈硬化の結果生じるものと考えられ,末梢動脈疾患における予後不良因子の1つとして重要である.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.