Japanese
English
症例報告
持久性隆起性紅斑の1例―本邦報告例の文献的考察を加えて
A case of erythema elevatum diutinum with review of previous reports
鷲尾 健
1
,
仲田 かおり
1
,
中村 敦子
2
,
谷 昌寛
2
,
堀川 達弥
1
Ken WASHIO
1
,
Kaori NAKATA
1
,
Atsuko NAKAMURA
2
,
Masahiro TANI
2
,
Tatsuya HORIKAWA
1
1西神戸医療センター皮膚科
2たに皮フ科クリニック
1Nishi-Kobe Medical Center,Department of Dermatology,Kobe,Japan
2Tani Dermatology Clinic,Kobe,Japan
キーワード:
持久性隆起性紅斑
,
好中球性皮膚症
,
ジアミノジフェニルスルホン
Keyword:
持久性隆起性紅斑
,
好中球性皮膚症
,
ジアミノジフェニルスルホン
pp.405-410
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103306
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要約 24歳,女性.慢性蕁麻疹の既往がある.感冒の後に関節痛があり,次第に両下腿に淡紅色扁平隆起性局面や足蹠・踵部の水疱および血疱が出現した.病理所見では表皮内および表皮下に水疱を形成し,水疱内には好中球を中心とした細胞浸潤があり,表皮細胞間浮腫が著明であった.真皮浅層から深層では血管周囲および間質に核塵を伴って好中球が著明に浸潤し,赤血球の血管外漏出や一部血管の変性を認めた.ジアミノジフェニルスルホン(DDS)75mg/日の内服にて皮疹は速やかに軽快,治療後の足底部の生検像では真皮内に線維化が著明であった.DDSを漸減中に四肢に淡紅色斑が再燃し,生検像では好中球・核塵を伴う血管周囲の細胞浸潤を認め,持久性隆起性紅斑と診断した.本邦での報告例を検討した結果,本症では多彩な皮疹を示すが,水疱は約1/4の症例で,血疱を伴う例は約1/6で認められた.自験例のような手指に血疱をきたした症例は比較的稀と考えられた.
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