Japanese
English
特集 真菌症
Trichophyton tonsuransによるケルスス禿瘡の1例
Kerion celsi due to Trichophyton tonsurans
田尻下 明依
1
,
茂木 いづみ
1
,
久保 玲子
1
,
袋 幸平
1
,
河野 克之
1
Mei TAJIRIKA
1
,
Izumi MOTEGI
1
,
Reiko KUBO
1
,
Kouhei FUKURO
1
,
Katsuyuki KAWANO
1
1横須賀共済病院,皮膚科(主任:河野克之部長)
キーワード:
Trichophyton tonsurans
,
ケルスス禿瘡
,
頭部白癬
,
脱毛症
,
テルビナフィン
,
ステロイド全身投与
Keyword:
Trichophyton tonsurans
,
ケルスス禿瘡
,
頭部白癬
,
脱毛症
,
テルビナフィン
,
ステロイド全身投与
pp.167-170
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003759
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
18歳,男性。3週間前より頭部に膿疱,脱毛が出現し,前医で抗菌薬外用や内服を行うも改善なく,当科を紹介受診した。初診時頭頂部から右側頭部に脱毛斑,頭皮全体に発赤と落屑がみられた。病理組織で毛包周囲の好中球浸潤と周囲の真皮内のリンパ球浸潤,毛包の破壊がみられ,組織培養でTrichophyton tonsurans陽性となりケルスス禿瘡と診断した。抗真菌薬内服にステロイド全身投与を併用し,治癒した。ケルスス禿瘡において,永久脱毛予防の観点からステロイドの全身投与を併用して炎症をコントロールすることの可否が議論されている。抗真菌薬内服のみでは改善に乏しい症例で選択肢となりうると考える。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.