Japanese
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特集 真菌症
パキスタン人小児に生じたTrichophyton rubrumによるケルスス禿瘡の1例
Kerion celsi due to Trichophyton rubrum in a Pakistani child
加倉井 真樹
1,2
,
原田 和俊
3
,
梅本 尚可
2
,
出光 俊郎
2
Maki KAKURAI
1,2
,
Kazutoshi HARADA
3
,
Naoka UMEMOTO
2
,
Toshio DEMITSU
2
1加倉井皮膚科クリニック,下妻市
2自治医科大学附属さいたま医療センター,皮膚科(主任:出光俊郎教授)
3東京医科大学,皮膚科学分野(主任:原田和俊教授)
キーワード:
ケルスス禿瘡
,
Trichophyton rubrum
,
小児
,
抗真菌薬
,
イトラコナゾール
Keyword:
ケルスス禿瘡
,
Trichophyton rubrum
,
小児
,
抗真菌薬
,
イトラコナゾール
pp.297-301
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002429
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4歳,パキスタン人女児。頭頂部に不整形の脱毛斑と厚い血痂,膿疱を認めた。患部の毛髪の直接鏡検は陽性で,真菌培養で赤色調の菌の集落が分離された。PCR法によるリボソームRNA遺伝子の検索で,Trichophyton rubrumと同定した。イトラコナゾールシロップ5mg/kgを断続的に合計10週間内服後,脱毛斑部の毛髪も再生し治癒した。動物飼育はなく,家族に足白癬はなく,感染源は不明であった。言葉の問題や疾患に対する考え方の違いで通院が不定期になり,治療に難渋した。ケルスス禿瘡では治療が遅れると永久脱毛をきたす可能性があるので,膿疱や脱毛斑があれば頭部白癬を念頭に置いて病毛のKOH鏡検を行うことが重要である。
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