Japanese
English
特集 真菌症
Trichophyton verrucosumによる小児ケルスス禿瘡の1例
Kerion celsi of infancy caused by Trichophyton verrucosum
阿河 弘和
1
,
高野 浩章
1
,
永野 史翔
2
Hirokazu AGAWA
1
,
Hiroaki KONO
1
,
Humika NAGANO
2
1高知医療センター,皮膚科(主任:高野浩章科長)
2同,小児科
キーワード:
Trichophyton verrucosum
,
ケルスス禿瘡
,
小児
,
牛舎
Keyword:
Trichophyton verrucosum
,
ケルスス禿瘡
,
小児
,
牛舎
pp.292-296
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002428
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3歳,女児。初診の3週間前に後頭部に脱毛斑が出現した。近医でステロイド外用薬や抗菌薬内服治療を受けるも隆起,拡大し,巨大な腫瘤を形成したため当科を紹介受診した。初診時,後頭部に手拳大の紅色腫瘤と毛包一致性の膿疱を多数認めた。腫瘤部から抜去した毛髪のKOH直接鏡検で真菌要素を確認した。原因菌の同定から,Trichophyton verrucosumによるケルスス禿瘡と診断した。イトラコナゾール5mg/kg/日内服により皮膚症状は改善したが,脱毛部は残り一部瘢痕化した。父親が経営している牧場のウシから頭皮に感染し,ステロイド外用で皮疹の増悪をきたしていることから,適切な問診と毛髪の直接鏡検を行い,早期に診断し治療を開始することが重要と考える。
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