Japanese
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特集 真菌症
家族内感染による発症が疑われたTrichophyton tonsuransによるケルスス禿瘡の1例
Kerion celsi caused by Trichophyton tonsurans possibly transmitted from a family member
飯島 茂子
1,2
,
髙山 典子
1
,
安澤 数史
3
,
望月 隆
3
Shigeruko IIJIMA
1,2
,
Noriko TAKAYAMA
1
,
Kazushi ANZAWA
3
,
Takashi MOCHIZUKI
3
1はなみずきクリニック,皮膚科,牛久市
2龍ケ崎済生会病院,皮膚科,龍ケ崎市
3金沢医科大学,皮膚科学講座
キーワード:
Trichophyton tonsurans感染症
,
ケルスス禿瘡
,
家族内感染
,
テルビナフィン
,
イトラコナゾール
Keyword:
Trichophyton tonsurans感染症
,
ケルスス禿瘡
,
家族内感染
,
テルビナフィン
,
イトラコナゾール
pp.418-422
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004498
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46歳,女性。乳癌術後。顔面・項部の体部白癬からケルスス禿瘡に進展した。皮膚生検で毛幹への真菌の寄生,分離株の巨大培養,スライド培養,遺伝子解析より,原因菌をTrichophyoton tonsuransと確定した。テルビナフィン125mg/日による治療に抵抗したが,イトラコナゾール100~200mg/日,8週間の内服で治癒した。発症の7カ月前と4カ月前,柔道をする息子の顔面に白癬の既往があり,経過,菌種より家族内感染と考えた。分離菌の最小阻止濃度は,テルビナフィン,イトラコナゾールとも感受性のある値であった。本疾患では,積極的な真菌培養検査で診断を確定し,早期から抗真菌薬による内服治療が重要と考えた。
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