Japanese
English
症例報告
白癬疹を伴ったTrichophyton tonsuransによるケルスス禿瘡の1例
A case of kerion celsi due to Trichophyton tonsurans accompanied by a trichophytid
高村 さおり
1
,
吉田 沙知子
1
,
伊崎 誠一
1
,
寺木 祐一
1
Saori TAKAMURA
1
,
Sachiko YOSIDA
1
,
Seiichi IZAKI
1
,
Yuichi TERAKI
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical Center, Saitama Medical University, Kawagoe, Japan
キーワード:
ケルスス禿瘡
,
Trichophyton tonsurans
,
白癬疹
,
空手
,
防具
Keyword:
ケルスス禿瘡
,
Trichophyton tonsurans
,
白癬疹
,
空手
,
防具
pp.989-992
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103463
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要約 8歳,男児.防具を使用する空手歴がある.初診の2か月前より左頭部の脱毛が出現し,ステロイドおよび抗真菌薬外用で治療されていたが,頭部の皮疹は拡大し,発熱とともに全身に掻痒性丘疹が多発した.頭部毛髪のKOH検鏡では糸状菌は陰性であった.病巣毛の真菌培養では,巨大培養で表面白色,裏面黄褐色調のコロニー形成と,スライドカルチャーで菌糸の側方にゴマ粒様の小分生子を認めた.塩酸テルビナフィン内服により頭部の皮疹は徐々に改善,またステロイド外用の併用により全身の掻痒性丘疹は速やかに消退した.以上より,白癬疹を伴ったTrichophyton tonsuransによるケルスス禿瘡と診断した.自験例では頭部の広い範囲に強い炎症反応を伴った病変がみられたため,T. tonsuransに対する遅延型反応が誘導され,白癬疹が生じたと考えた.
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