Japanese
English
症例報告
肺胞出血とループス腎炎を合併した全身性エリテマトーデスの1例
A case of systemic lupus erythematosus associated with diffuse alveolar hemorrhage and lupus nephritis
加藤 恵子
1
,
菅原 京子
1
,
小寺 雅也
1
,
豊田 徳子
1
,
指尾 豊和
2
,
臼田 俊和
1
Keiko KATO
1
,
Kyoko SUGAWARA
1
,
Masanari KODERA
1
,
Atsuko TOYODA
1
,
Toyokazu SASHIO
2
,
Toshikazu USUDA
1
1社会保険中京病院皮膚科
2社会保険中京病院呼吸器科
1Division of Dermatology,Syakaihoken Chukyo Hospital,Nagoya,Japan
2Division of Pulmonology,Syakaihoken Chukyo Hospital,Nagoya,Japan
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
肺胞出血
,
ループス腎炎
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
肺胞出血
,
ループス腎炎
pp.217-222
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103193
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要約 23歳,男性.初診3か月前より,微熱,倦怠感,日光により増強する頰部紅斑などを自覚した.精査にて,全身性エリテマトーデスとSjögren症候群の合併と診断した.この時点で,内臓合併症は認めず,安静により軽快し,投薬は行わず経過観察を続けたが,退院8か月後に,左胸部痛,咳,喀痰,呼吸困難感を自覚し再受診した.胸部CTで左下肺野の限局性浸潤影を認めた.市中肺炎が疑われ抗生剤治療をしたが反応に乏しく,血痰,貧血,補体価の低下,初診時と比較して抗ds-DNA抗体の上昇を認め,全身性エリテマトーデスに合併した肺胞出血と診断した.同時に全身の浮腫,蛋白尿が出現し,腎生検によりループス腎炎Ⅴ型と診断した.ステロイドパルス療法を行い,肺胞出血,ループス腎炎ともに軽快した.全身性エリテマトーデスに合併した肺胞出血は,予後不良であることが知られている.今回,臨床経過より早期に診断し,治療しえたことが救命につながったと考えられる.
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