今月の特集 典型例の臨床検査を学ぶ
全身性エリテマトーデス(SLE)
黒田 毅
1
1新潟大学保健管理センター
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
SLE
,
分類基準
,
ループス腎炎
,
抗リン脂質抗体症候群
,
APS
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
SLE
,
分類基準
,
ループス腎炎
,
抗リン脂質抗体症候群
,
APS
pp.690-694
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202755
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
初診(診察)時症状・所見
患者は54歳,女性.48歳時に子宮筋腫のため子宮を全摘された.子どもは2人で,自然分娩で流産の既往はなかった.51歳時に検診で蛋白尿(1+),血尿なしを指摘され,近医を受診して経過観察されていた.
52歳時に新潟大学医歯学総合病院(以下,当院)を紹介され受診した.検査の結果,尿蛋白0.8g/Cr,クレアチニンクリアランス109mL/分であった.この際に高血圧を指摘され,アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensin Ⅱ receptor antagonist blocker:ARB)の処方を開始された.その後,近医で経過を観察していた.近医へ通院中に両手関節痛が出現し,増強したため,腱鞘炎,手根管症候群の診断で消炎鎮痛薬の処方を受けた.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.