Japanese
English
症例報告
皮膚Rosai-Dorfman病の長期観察経験
Long-term observation of cutaneous Rosai-Dorfman disease
平澤 祐輔
1
,
宿谷 涼子
1
,
池田 志斈
1
Yusuke HIRASAWA
1
,
Ryoko SYUKUYA
1
,
Shigaku IKEDA
1
1順天堂大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology,Juntendo University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
皮膚Rosai-Dorfman病
,
sinus hystiocytosis with massive lymphadenopathy
,
emperipolesis
Keyword:
皮膚Rosai-Dorfman病
,
sinus hystiocytosis with massive lymphadenopathy
,
emperipolesis
pp.223-227
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103194
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要約 50歳,女性.鼻尖部と左頰部に自覚症状のない多発性紅色丘疹が出現した.左頰部からの皮膚生検で,表皮から真皮にかけてリンパ球・形質細胞が主体の炎症細胞浸潤があり,組織球が正常リンパ球を取り込んでいるemperipolesisの所見がみられた.組織球は免疫組織学的所見でS100蛋白陽性,CD68陽性,CD1a陰性であり,Rosai-Dorfman病(Rosai-Dorfman disease:RDD)と診断した.病変は顔面の皮膚のみにとどまり,全身症状や表在リンパ節腫脹などはみられず皮膚RDDと診断した.皮疹が急速に拡大したためベタメタゾン2mg/日を内服開始したところ皮疹の拡大は停止した.患者の自己判断で内服を中止した.約半年後より皮疹は消退しはじめ,皮疹出現から約3年5か月後,皮疹はわずかな色素沈着を残してほぼ完全に消失した.皮膚RDDの本邦報告例11例を検討したところ,数か月以内で自然消退することが多く1年以上の経過は少なかった.
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