Japanese
English
症例報告
顔面の紅斑・腫脹を主訴に来院した重症全身性エリテマトーデスの男性例
A male case of severe systemic lupus erythematosus with facial erythema and swelling
田口 麻莉
1
,
大霜 智子
1
,
松村 泰宏
1
,
鷲見 知彦
2
Mari TAGUCHI
1
,
Tomoko OSHIMO
1
,
Yasuhiro MATSUMURA
1
,
Tomohiko SUMI
2
1浅香山病院皮膚科
2浅香山病院内科
1Division of Dermatology, Asakayama Hospital, Sakai, Japan
2Division of Internal Medicine, Asakayama Hospital, Sakai, Japan
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
若年男性
,
顔面紅斑
,
免疫吸着療法
,
肺胞出血
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
若年男性
,
顔面紅斑
,
免疫吸着療法
,
肺胞出血
pp.299-304
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205353
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 27歳,男性.顔面の紅斑と腫脹,発熱を主訴に当科を受診した.初診時,両頰部から鼻背部にかけて浮腫性紅斑を認め,その後1週間で急速に顔面全体に紅斑が拡大した.紅斑部の病理組織像では,真皮血管と付属器周囲に炎症細胞浸潤があり,膠原線維間のムチン沈着,表皮真皮境界部や毛包周囲の液状変性がみられた.蛍光抗体直接法では,lupus band test陽性であった.顔面紅斑,血液学的異常,免疫学的異常,抗核抗体陽性などから全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)と診断した.ステロイドパルス療法や血漿吸着療法を行うも,肺胞出血を合併して初診日より20日目に永眠された.SLEの男性例は稀であり,発症した場合は女性より重症化しやすいとされている.特に顔面の紅斑が急速に拡大する場合は,性別に関係なくSLEも鑑別に挙げ,早期診断・早期治療につなげることが重要と考える.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.