増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ
4章 腎疾患を知る—臨床検査ができること
臨床検査で迫る腎疾患
ループス腎炎・膠原病に伴う腎病変の活動性評価
廣村 桂樹
1
1群馬大学大学院医学系研究科腎臓・リウマチ内科学
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
SLE
,
ループス腎炎
,
Sjögren症候群
,
IgG4関連疾患
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
SLE
,
ループス腎炎
,
Sjögren症候群
,
IgG4関連疾患
pp.538-541
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203602
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はじめに
膠原病は全身の結合組織に障害が生じる自己免疫性疾患の総称である.結合組織は細胞同士をつなぐ成分であり,膠原線維,線維芽細胞,基質などを含む.膠原病ではこれらの結合組織が重要な構成成分となっている血管,皮膚,筋肉,関節をはじめとして,全身の諸臓器が標的になる.特に,腎臓は膠原病で障害されやすい臓器である.
膠原病のなかでも,高頻度に腎病変を伴う疾患としては,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)が挙げられ,腎病変はループス腎炎と呼ばれる.
本稿では,ループス腎炎に焦点を当てつつ,Sjögren症候群やIgG4関連疾患に伴う腎病変についても少々解説する.また,ANCA関連血管炎も腎病変を高頻度に引き起こし,ANCA関連腎炎と呼ばれる.ANCA関連腎炎については,528〜532ページを参照されたい.
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