Japanese
English
症例報告
初発症状として舞踏病様不随意運動がみられた抗リン脂質抗体症候群合併全身性エリテマトーデスの1例
A case of systemic lupus erythematosus with anti-phospholipid antibody syndrome, showing chorea as the initial symptom
田中 義人
1
,
小寺 雅也
1
,
鶴見 由季
1
,
稲坂 優
1
,
菅原 京子
1
,
伊藤 有美
1
Yoshihito TANAKA
1
,
Masanari KODERA
1
,
Yuki TSURUMI
1
,
Yuu INASAKA
1
,
Kyoko SUGAWARA
1
,
Yumi ITO
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院皮膚科
1Division of Dermatology, Chukyo Hospital, Nagoya, Japan
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
抗リン脂質抗体症候群
,
不随意運動
,
舞踏病
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
抗リン脂質抗体症候群
,
不随意運動
,
舞踏病
pp.567-571
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204830
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要約 16歳,女性.初診9か月前から手指の有痛性紅斑と微熱,不随意運動が出現した.初診1か月前に脱毛と足趾の紫斑を主訴に近医を受診し当院に紹介された.来院時,蝶形紅斑,爪囲紅斑,足趾先端部の紫斑,両側下腿のlivedo rasemosa,両手指の舞踏病様不随意運動を認めた.抗核抗体,抗ds-DNA抗体,種々の抗リン脂質抗体陽性であり,抗リン脂質抗体症候群(anti-phospholipid antibody syndrome:APS)を合併した全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)と診断した.不随意運動は抗リボソームP抗体や髄液中IL-6,IgG Indexが正常であったことから中枢神経ループスではなくAPSによる症状と考え,抗凝固療法を行った結果改善した.APSを合併したSLE患者は,その精神神経症状が中枢神経ループスかAPSによる症状かの鑑別は困難なことが多い.しかし両疾患の治療方針は異なるため鑑別は非常に重要である.
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