Japanese
English
症例報告
人工膝関節置換術後に生じ,好酸球性胃腸炎を併発した全身性金属アレルギー
Systemic metal allergy associated with eosinophilic gastroenteritis due to total knee arthroplasty
濱 佳世
1
,
日野 亮介
1
,
吉岡 学
1
,
中島 大毅
1
,
中村 元信
1
,
戸倉 新樹
1
Kayo HAMA
1
,
Ryosuke HINO
1
,
Manabu YOSHIOKA
1
,
Daiki NAKASHIMA
1
,
Motonobu NAKAMURA
1
,
Yoshiki TOKURA
1
1産業医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,University of Occupational and Environmental Health,Kitakyushu,Japan
キーワード:
全身性金属アレルギー
,
好酸球性胃腸炎
,
人工関節
,
クロモグリク酸ナトリウム(インタール®)
Keyword:
全身性金属アレルギー
,
好酸球性胃腸炎
,
人工関節
,
クロモグリク酸ナトリウム(インタール®)
pp.1027-1030
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103115
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要約 73歳,女性.2009年11月コバルト/クロム合金による右人工股関節置換術,2010年3月に同金属による右人工膝関節置換術を受けた.膝関節置換術後,右下腿の腫脹が続き,術後15日目頃から下痢とともに全身の紅斑が出現した.パッチテストで,クロム,コバルト,水銀,ニッケル,人工関節の合金が陽性であった.皮膚病理所見では多数の好酸球とリンパ球の浸潤を認めた.また,上部消化管内視鏡と病理検査の結果,好酸球性胃腸炎を併発しており,全身性金属アレルギーと診断した.ステロイド全身投与のみで改善しないため,金属の経口摂取制限とクロモグリク酸ナトリウム(インタール®)の内服を併用したところ,皮疹は軽快し,順調にステロイドを漸減できた.関節置換術後の全身の紅斑,胃腸症状の併発時には,全身性金属アレルギーの診断をまず念頭に置く必要性が再認識された.
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