連載 皮膚科×アレルギー膠原病科合同カンファレンス・20
高安病に伴った有痛性紅斑
岡田 正人
1
,
衛藤 光
2
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(SLE,関節リウマチ,小児リウマチ)
2聖路加国際病院皮膚科
pp.2060-2064
発行日 2013年11月10日
Published Date 2013/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107193
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後期研修医(アレルギー膠原病科) 今回は高安病の28歳女性です.当院初診は2年前ですが,発症は15年前です.紹介状のデータでは,受診前数年間はプレドニゾロン10mgとアザチオプリン50mgを処方されていましたが,CRPは1~2mg/dLを推移していました.両上肢を下にした体位でMRAを撮影していますが,高安病に特徴的な大動脈分枝の狭窄と副側路の発達が認められます(図1).大動脈炎では,CRPと実際の血管炎の活動性の相関は乏しいことも多いとされています.
アレルギー膠原病科医 確かにその通りで,特にCRPが陰性でも画像的に進行がみられてしまうこともありますので注意が必要です.逆に,CRPを陰性にしようと無理に必要以上のステロイドを継続することは副作用の原因となります.しかし,経験上は短期間の寛解導入のステロイドで炎症反応を陰性化させてから維持にもっていけば,それほど問題になることはありません.理論的にも長期のCRP上昇はアミロイドーシスなどの懸念もありますので,安易に放置することは避けています.この患者も一時的なステロイドの増量でCRPを陰性化させたのち,アザチオプリンで維持していました.血管炎の活動性は臨床症状,血液検査,画像から鎮静化していたと考えられます.
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