Japanese
English
原著
ソラフェニブによる多形紅斑型薬疹の3例―本邦報告例における手足症候群との比較
Three cases of erythema-multiforme type drug eruption induced by sorafenib:Comparison of the erythema-multiforme with hand-foot syndrome in the reported Japanese cases
牛込 悠紀子
1
,
満山 陽子
1
,
平原 和久
1
,
塩原 哲夫
1
Yukiko USHIGOME
1
,
Yoko MITSUYAMA
1
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
ソラフェニブ
,
多形紅斑型薬疹
,
手足症候群
Keyword:
ソラフェニブ
,
多形紅斑型薬疹
,
手足症候群
pp.106-110
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102803
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要約 症例1:79歳,女性.腎細胞癌に対しソラフェニブ投与開始12日目に発熱,全身の多形紅斑,口唇びらんを認めた.内服を自己中断し当科を受診した.Stevens-Johnson症候群(SJS)を疑ったが補液のみにて軽快した.症例2:67歳,男性.肝細胞癌に対し内服9日目に,発熱と軀幹・四肢に多形紅斑を認めた.薬剤中止とステロイド外用で軽快した.症例3:74歳,男性.肝細胞癌に対し内服8日目に発熱,口唇びらん,軀幹・四肢の多形紅斑を認めた.薬剤中止および補液とステロイド外用で軽快した.ソラフェニブの皮膚障害は手足症候群の頻度が高いが,ほとんどは薬剤の内服継続もしくは減量で軽快する.一方,自験例はいずれもSJSへの移行が危惧された多形紅斑型であったが,ステロイドの全身投与は行わず軽快した.ソラフェニブによる多形紅斑型薬疹ではステロイドの全身投与が行われる場合が多いが,全身投与を行わずに軽快する症例もある.
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