Japanese
English
症例報告
ソラフェニブ投与後急速に出現したケラトアカントーマ様有棘細胞癌と思われた1例
A case of keratoacanthoma-like squamous cell carcinoma rapidly arising after the administration of sorafenib
新田 桐子
1
,
牛込 悠紀子
1
,
早川 順
1
,
塩原 哲夫
1
Kiriko NITTA
1
,
Yukiko USHIGOME
1
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
ケラトアカントーマ
,
ケラトアカントーマ様有棘細胞癌
,
ソラフェニブ
,
分子標的薬
Keyword:
ケラトアカントーマ
,
ケラトアカントーマ様有棘細胞癌
,
ソラフェニブ
,
分子標的薬
pp.929-933
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204592
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要約 68歳,男性.2008年に右腎細胞癌を切除後,2012年,多発肺転移にて再発し,2012年11月よりソラフェニブ400mg/日を開始した.その2週間後より口囲右上方に結節が出現した.2013年1月,ソラフェニブを減量した後も結節が拡大したため,当科を紹介された.生検組織はケラトアカントーマ(keratoacanthoma:KA)に一致する所見であったが,その後も拡大が止まらず全切除した.切除標本では辺縁の腫瘍細胞の異型性が高度でケラトアカントーマ様有棘細胞癌(keratoacanthoma-like squamous cell carcinoma:KA-like SCC)と診断した.ソラフェニブ投与後に出現した皮膚腫瘍の報告は,海外では多いが本邦では稀で,KA-like SCCは2例目である.ソラフェニブ投与患者に生じるKA,KA-like SCCでは多発例,非露光部例が多いことを認識し,主治医は定期的な全身の診察を行うべきである.腫瘍が生じた場合,単発例では早期の切除を,多発例では薬剤の減量や中止を検討することが望ましい.
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