Japanese
English
原著
ソラフェニブによる皮膚障害の3例
Three cases of drug eruption due to sorafenib
泉 祐子
1
,
伊東 慶悟
1
,
中川 秀己
1
Yuko IZUMI
1
,
Keigo ITO
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
ソラフェニブ
,
腎細胞癌
,
手足症候群
,
分子標的薬
,
血管炎
Keyword:
ソラフェニブ
,
腎細胞癌
,
手足症候群
,
分子標的薬
,
血管炎
pp.556-562
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102989
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要約 症例1:65歳,女性.ソラフェニブ(ネクサバール®)を内服し,10日目より手掌と足底の小水疱と膿疱,手足を含む全身の紅斑を認めた.病理組織学的に,血管炎の所見と血栓形成であった.症例2:46歳,男性.ソラフェニブ内服9日目より四肢,軀幹の紅斑を認めた.病理組織学的に,血管周囲に炎症細胞が浸潤していた.症例3:52歳,女性.ソラフェニブ内服9日目より四肢,軀幹の紅斑を認めた.いずれも腎細胞癌の治療にソラフェニブを処方され,皮膚障害が生じたと考えられた.ステロイド内服外用療法により治癒した.ソラフェニブは,手足症候群をはじめとする,皮膚障害をきたし,患者のQOL(quality of life)が低下する.今回3例の皮膚障害を経験し,うち1例に血管炎を認めた.ソラフェニブによる血管炎の報告は,本邦ではこれまでにない.皮膚障害の機序には不明な点が多く,今後さらなる解明が必要である.
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