Japanese
English
症例報告
化学療法後に特異疹を認めた慢性骨髄単球性白血病の1例
A case of chronic myelomonocytic leukemia who developed specific skin lesions after complete remission by chemotherapy
牛込 悠紀子
1
,
満山 陽子
1
,
平原 和久
1
,
塩原 哲夫
1
Yukiko USHIGOME
1
,
Yoko MITSUYAMA
1
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
慢性骨髄単球性白血病
,
特異疹
,
非特異疹
,
歯肉腫脹
,
単球増加
Keyword:
慢性骨髄単球性白血病
,
特異疹
,
非特異疹
,
歯肉腫脹
,
単球増加
pp.437-441
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102952
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要約 59歳,男性.全身の紅斑と38℃台の発熱を認め,血液検査で貧血と単球数の異常高値が明らかになったため,当科を受診した.著明な歯肉腫脹を伴っており,骨髄生検にて慢性骨髄単球性白血病(chronic myelomonocytic leukemia:CMML)と診断した.皮膚生検で異型細胞はみられず,非特異疹と診断した.皮疹は自然消退したが,単球の高値は持続し,経過中に急性転化した.化学療法により完全寛解が得られた後,全身に紅色結節が出現した.結節出現時の末梢血は白血球数,単球数ともに基準値内であった.皮膚生検よりCMMLの特異疹と診断したが,結節は約1週間で自然消退した.CMMLの特異疹の出現時期はさまざまであるが,自験例では非特異疹が先行した点と,化学療法を施行し寛解を得た後に特異疹が出現した点,および両者とも1週間程度で自然消退した点が非常に稀な経過といえる.全身の紅斑,歯肉腫脹,末梢血での単球増加を認めた場合,CMMLを鑑別に挙げる必要がある.
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