Japanese
English
症例報告
前胸部に生じたancient schwannomaの1例
A case of ancient schwannoma on the chest
福田 博美
1
,
竹中 祐子
1
,
萩原 宏子
1
,
若林 奈津子
1
,
林 伸和
1
,
川島 眞
1
Hiromi FUKUDA
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Hiroko HAGIWARA
1
,
Natsuko WAKABAYASHI
1
,
Nobukazu HAYASHI
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
ancient schwannoma
,
陳旧性神経鞘腫
Keyword:
ancient schwannoma
,
陳旧性神経鞘腫
pp.311-314
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102553
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要約 67歳,男性.3年前より左前胸部に自覚症状を伴わない皮下結節が出現し,徐々に増大した.初診時,5.5×3.2×高さ1.0cmのドーム状に隆起した皮下結節を認め,初診から6か月後には6.0×4.5cm×高さ2.0cmと増大がみられた.病理組織学的には,脂肪織に被膜に覆われた腫瘍塊があり,腫瘍細胞は紡錘形で楕円形の核を有し,索状,渦巻状に増殖していた.腫瘍細胞はS100蛋白とNSEで陽性を示した.一部に核異型を認めるが,核分裂像はなかった.また,管腔様構造,血栓像,血管壁の硝子化,出血像,ヘモジデリンの沈着を認めた.以上より,ancient schwannomaと診断した.Schwannomaは本来良性の腫瘍であるが,管腔の拡張や囊胞変性をきっかけに急速に増大する場合もあるので,早期切除が望まれる.
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