Japanese
English
症例報告
自然消退傾向を示した成人発症の血管芽細胞腫(中川)の1例
A case of adult onset angioblastoma(Nakagawa) which showed spontaneous regression
萩原 宏子
1
,
竹中 祐子
1
,
林 伸和
1
,
川島 眞
1
Hiroko HAGIWARA
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Nobukazu HAYASHI
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
血管芽細胞腫(中川)
,
tufted angioma
,
自然消退
,
成人発症
Keyword:
血管芽細胞腫(中川)
,
tufted angioma
,
自然消退
,
成人発症
pp.1025-1028
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102471
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要約 28歳,女性.1年前より左乳輪右側に圧痛を伴う結節が出現した.初診時,左乳輪右側に30×22mm大の弾性硬の紫紅色結節を認めた.生検の病理組織像では,真皮浅層から脂肪織に,核が大型で類円形の異型性のない腫瘍細胞と血管の増生からなる巣状の腫瘍塊を認め,間質には膠原線維の膨化と均質化を伴っていた.腫瘍細胞はCD31陽性,第VIII因子陽性を示し,血管内皮細胞由来と考えた.以上より血管芽細胞腫(中川)と診断した.若年女性の胸部に生じていることを考慮して無治療で経過観察したところ,7か月後に縮小し,1年7か月後には20×17mm大になった.成人の血管芽細胞腫でも,自然縮小も期待できることから,2年程度の経過観察も選択肢の1つと考えた.
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