Japanese
English
症例報告
左鼠径部に生じた後天性囊胞状リンパ管腫の1例
A case of acquired cystic lymphangioma on the left groin
西本 和代
1
,
舩越 建
1
,
橋本 玲奈
1
,
齋藤 昌孝
1
,
谷川 瑛子
1
,
大山 学
1
,
石河 晃
1
Kazuyo NISHIMOTO
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Rena HASHIMOTO
1
,
Masataka SAITO
1
,
Akiko TANIKAWA
1
,
Manabu OHYAMA
1
,
Akira ISHIKO
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
囊胞状リンパ管腫
,
鼠径部
,
成人
,
外科的切除
Keyword:
囊胞状リンパ管腫
,
鼠径部
,
成人
,
外科的切除
pp.315-318
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102554
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要約 44歳,男性.左鼠径部に生じた胡桃大の皮下結節が急速に増大した.初診時,左鼠径部に径6cm大の皮下腫瘤を認め,CTでは皮下に限局し,周囲との境界が明瞭な囊腫を認めた.全身麻酔下に切除し,術中にリンパ液様の囊胞内容液を認めた.病理組織学的には,複数の囊胞を有する結節性の病変で,囊胞壁はD2-40染色で陽性であった.腫瘤内容液の所見と病理組織学的所見から囊胞状リンパ管腫と診断した.囊胞状リンパ管腫は,通常は頸部・腋窩に生下時から2歳までに発症するが,成人発症はきわめて稀である.その成因は不明だが,組織学的に多彩な炎症細胞浸潤,線維化を伴う肉芽腫を認め,顕症化に炎症が関与していたことが示唆された.
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