特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の新しい器械,器具
Ⅳ.手術器械
2)スキータードリル
東野 哲也
1
1宮崎医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.107-113
発行日 2001年4月30日
Published Date 2001/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902355
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はじめに
SKEETER® Drill System(以下,スキータードリル)は,米国Xomed社製の耳科手術専用マイクロドリルシステムである。1989年にSchwaber1)がマイクロドリルによる小開窓アブミ骨手術(stapedotomy)を紹介して以来,「mechanical」なアブミ骨底板開窓手技を担う器具として利用されている2)。一方で,非「mechanical」な開窓手技としてレーザーを用いた方法も広がりつつあり,レーザーとスキータードリルを併用した術式も報告されている3)。筆者が初めて本器具に接したのはミネソタ大学留学中の1990年であったが,以来,実験動物の蝸牛開窓や内リンパ嚢閉塞手術に利用して有用性を実感してきた。
本邦における臨床使用の最初の報告は,スキータードリルを用いたアブミ骨手術法を紹介した1996年の田淵ら4)の学会報告である。以来,アブミ骨手術を中心にその有用性が確かめられてきた5〜8)。
本稿では,スキータードリルシステムの概要を述べるとともに,自験例を中心に使用法の実際を呈示する。
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