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特集 耳鼻咽喉科領域の術後機能評価
1.鼓室形成術
1.Tympanoplasty
松田 圭二
1
,
三代 康雄
2
,
東野 哲也
1
Keiji Matsuda
1
1宮崎大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科
2兵庫医科大学耳鼻咽喉科
pp.359-365
発行日 2010年5月20日
Published Date 2010/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101627
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Ⅰ.はじめに
鼓室形成術後の聴力成績を報告する際の基準は,いくつかの国で標準化されている。わが国においては,気骨導差,聴力改善,聴力レベルの3判定基準を組み合わせた聴力改善の成績判定案〔日本耳科学会(以下,耳科学会と略す),1999年〕が用いられている1)。欧米の基準である伝音難聴の治療成績に対する評価ガイドライン〔American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery(AAO-HNS)1995年〕2)では,気骨導差のみを判定基準としており,本邦案とは少し異なる。両ガイドラインの運用上の注意点などについて述べる。
また,手術後に耳漏やデブリの溜まりが消失しメインテナンスフリーの状態になることが鼓室形成術の最終的な目標となる。よく含気化された中耳の構築は,聴力を含むこれらの機能を安定的に維持するための必要条件となる。術後含気腔評価については,標準化された方法はないが,機能評価の一法を紹介したい。
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