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あとがき
小川 郁
pp.1166
発行日 2015年12月20日
Published Date 2015/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200799
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10月5日,北里大学特別栄誉教授大村智博士のノーベル賞受賞が決まりました。ノーベル平和賞にもノミネートされていましたが,本道の生理学・医学賞受賞ということで,賞賛が日本中を駆け巡りました。興奮もさめやらぬ翌日の10月6日には,ニュートリノ振動の発見により東京大学の梶田隆章教授がノーベル物理学賞を受賞されました。個人的には村上春樹氏のノーベル文学賞の受賞が続かなかったことが残念でしたが,今後のわが国の科学研究推進の必要性を示す素晴らしいダブル受賞になりました。
さて,ノーベル生理学・医学賞ですが,思い起こせば,北里研究所と慶應義塾大学医学部の創始者である北里柴三郎先生がドイツ留学中に破傷風菌の純粋培養に成功し,その血清療法を確立したことで,第1回のノーベル賞候補になりました。時代的な問題もあり,残念ながら受賞を逃しましたが,1世紀を経て大村智博士が受賞されたことは,北里柴三郎先生の学志を受け継いだ成果として,大変意義深いものがあります。
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