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スケート陣や女子カーリングチームの大活躍が話題となった平昌オリンピックが閉会して,国民栄誉賞が話題となっています。1977年,当時の内閣総理大臣・福田赳夫氏が,本塁打世界記録を達成した王 貞治選手を称えるために創設したのが国民栄誉賞のはじまりでした。その目的は「広く国民に敬愛され,社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて,その栄誉を讃えること」であり,表彰の対象は「内閣総理大臣が本表彰の目的に照らして表彰することを適当と認めるもの」「これまで功績を積み重ねてきた上に,さらに歴史を塗り替える,突き抜けるような功績をあげたもの」とされています。やや曖昧な感じで選考は大変難しいという印象です。長嶋茂雄・松井秀喜両選手やFIFA女子ワールドカップ日本女子代表の受賞,オリンピックアスリートではマラソンの高橋尚子選手,レスリングの吉田沙保里選手や伊調 馨選手の受賞が記憶に新しいところです。今年2月には将棋囲碁界から羽生善治氏と井山裕太氏が表彰されました。羽生善治氏は中学生でプロ入り,将棋大賞の新人賞を受賞すると,17歳で天王戦優勝,19歳で竜王位に就きました。1996年に,将棋界で初の7冠独占,2017年に初の永世7冠に輝いています。井山裕太氏も中学1年でプロ入り。史上最年少記録となる16歳で優勝し,20歳で名人となっています。2016年,囲碁界史上初の7冠達成を果たすと,2017年には2度目の7冠独占を達成しました。まさに,国民栄誉賞に価する活躍ということがいえます。今回の平昌オリンピックや2年後の東京オリンピックのアスリートで国民栄誉賞受賞者がでるのか今から楽しみです。
さて,今月の特集は「基本診察・処置・手術のABC」です。耳科領域,鼻科領域,咽喉頭・頭頸部領域のまさに基本手技がまとめられています。耳鼻咽喉科医として専門研修を始められる新人だけではなく,すべての耳鼻咽喉科医に読んでいただきたい内容です。また,3編の原著論文も力作揃いです。2018年度のスタートですので,新たな気持ちでお読みいただければと思います。
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