- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
花粉症のシーズンまっただ中です。日本気象協会によると,今春のスギやヒノキなど春の花粉飛散量は,関東,東北,北海道で昨年の3~7倍,近畿でも1.3倍程度になると予測され,全国的に飛散量が少なかった昨年より大幅に増える見通しです。今春の花粉の飛散量はロンドンオリンピックで日本中が盛り上がっていた前年夏の熱気に左右され,その時期に気温が高く,日照時間が多く,雨が少なければ,飛散量が多くなるといわれており,東北,関東などではこうした条件がそろい飛散量が飛躍的に増加し,日照時間が少なく,雨が多かった九州,四国は減る見込みです。一方で,近畿は昨夏の気温,日照時間とも平年並みで,飛散量も平年並みのようです。このように,花粉の大飛散で大変な時期ですが,今年はさらに花粉に加えて中国からのPM10やPM2.5と呼ばれる大気汚染の微粒子汚染物質が風にのって日本に飛来しています。今春の花粉症のシーズンは例年以上にマスクが大流行になりそうです。
さて,今月号の特集は「知っておきたい放射線治療の新しい知識―専門医の診方・治し方」と「コンビームCT活用法」です。頭頸部癌に対する放射線治療は機能温存のニーズからますます重要になっています。また,強度変調放射線治療(IMRT:トモセラピー)やガンマナイフ,サイバーナイフ,重粒子線治療など,新しい放射線治療が注目されています。一方,超選択的動注化学療法も放射線治療との併用で優れた治療成績をあげており,血管内治療医との連携が重要になっています。本特集ではこれら各分野のエキスパートに放射線治療最前線の知見をまとめていただきました。コンビームCTも耳鼻咽喉科領域での適応を拡大している新しいX線診断装置であり,各領域での活用法をわかりやすく解説していただきました。原著論文も大変読み応えのある症例報告です。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.