トピックス 耳鼻咽喉科のリハビリテーション
喉摘者のリハビリテーション
佐藤 武男
1
1大阪府立成人病センター
pp.271-277
発行日 1989年4月20日
Published Date 1989/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200330
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
喉頭進行癌,下咽頭・頸部食道癌のために,またまれに頭頸部癌,甲状腺の進行癌などのために,治療手段として喉頭全摘出術が行われる。これらの患者は喉摘者(the laryngectomized, laryn—gectomee),無喉頭者(alaryngeal patient)または気管呼吸者ともいわれていて,身体障害3級に認定されている。
1945年以後の治療技術の進歩につれて,これらの喉摘者の永久治癒率が向上し,自然死に到るまでの管理が重要な問題となった。筆者は喉頭癌の治療は代用音声,とくに食道発声法の習熟によって完成すると考えている。したがって喉摘者リハビリテーションの中心となるのは食道発声教室であり,その育成と質の高い運営が最も重要であると考えている。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.