特集 喉頭腫瘍
受喉摘者の遠隔状況調査成績—主として術後の会話法について
切替 一郎
1
,
高藤 次夫
1
,
沢木 修二
1
,
船坂 宗太郎
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.395-400
発行日 1958年5月20日
Published Date 1958/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202008
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Ⅰ.緒言
喉頭癌は喉頭摘出手術など早期に適切な治療を行えば,生命に関する限り予後の良いもので,他臓器の癌腫に比べてその成績にはみるべきものがある。しかし喉摘はいうまでもなく発声器官の喪失であつて,ここに当然如何なる方法によつて他人と意志を疎通するかが大きな問題となつて残される。また一方身体的面でも術前と異つた種々の障碍が起り易くなつていると考えられる。これらの問題は喉摘を行う医師の立場として放置出来ない重大な課題であると思う。
しかし,これら術後の状態に関し,ひろく受喉摘者について調査した報告は少く,僅にPitkin及びHeydenら2, 3の報告があるに過ぎない。
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