論説
リハビリテーション室の中のリハビリテーション
松沢 博
1
1神奈川県立ゆうかり園
pp.191
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102739
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1988年9月に東京で開かれたリハビリテーション世界会議の数日前,ある全国紙に「リハビリと復権」と題する社説が掲載されていた.そこでは,リハビリテーション後進国ニッポンの汚名の底にある問題点を挙げ,“日本人みんなが,自分の問題として考えたい.”と結んでいた.その汚名の底にある問題点の一つとして,“「リハビリ室の中のリハビリ」に限られるため,さっぱり効果があがらなかったりする.”と述べている.リハビリテーションということばが我が国で使われるようになって20余年を経て,我が国のリハビリテーションの現状の一面をとらえたものと受け取ることができる.
病院でのリハビリテーションを終了し,退院の後自宅生活を送る個人あるいはその家族に接するとき,しばしば耳にすることは,「病院で訓練を受けているときは良かったのですが,今はだめですよ.」ということばである.
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