高齢透析患者に対する個別化した医療と介護
リハビリテーション 摂食・嚥下リハビリテーション
國枝 顕二郎
1
,
藤島 一郎
1聖隷浜松病院 リハビリテーション科
キーワード:
運動療法
,
嚥下障害
,
感度と特異度
,
危険因子
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
高齢者
,
チーム医療
,
脳卒中
,
栄養管理
,
呼吸理学療法
,
筋肉減少症
,
口腔ケア
,
嚥下訓練
Keyword:
Aged
,
Deglutition Disorders
,
Exercise Therapy
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Patient Care Team
,
Sensitivity and Specificity
,
Risk Factors
,
Stroke
,
Nutrition Therapy
,
Sarcopenia
pp.1275-1282
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015004440
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透析患者の死因の第1位は心不全,第2位は感染症であるが,これらは嚥下障害とも密接な関連がある.透析患者では脳卒中の合併率が高く,嚥下障害診療では脳卒中の関与を考慮しておく必要があるが,近年サルコペニアとの関連も注目されている.嚥下障害のスクリーニングには,反復唾液飲みテストや水飲みテストなどがあるが,もっとも大切なことは臨床的な観察である.詳細評価の必要時には,嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査を行う.嚥下障害の予防や治療には,姿勢や食形態の調整などの代償法が用いられるが,嚥下関連筋群の筋肉量低下や筋力低下が関与した嚥下障害ではレジスタンストレーニングを含む運動療法や栄養管理が重要である.口腔ケアは常に必須であり呼吸理学療法も有用である.高齢透析患者の嚥下障害診療においては,多くの医療職による多職種融合や,介護スタッフや家族との連携が重要である.
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