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今日は7月31日,IFHNOS(国際頭頸部癌学会連合)のWorld Congressから帰ってきたところです。会場はNew YorkのTimes Square。夏休みに入り観光客でごった返し,横断歩道を渡るのも一苦労でした。今回は世界を代表するがんセンターMemorial Sloan Kettering Cancer Centerの100周年記念ということで,学会というよりもお祭り。開会式ではニューヨーク市警のバンド演奏に誘導されて各国の代表が旗を持って入場し,マイケル・ダグラスがスピーチという派手な演出でした。参加者は約3,500名,日本からも100名以上参加したそうです。進行頭頸部扁平上皮癌に対して化学放射線療法が広く行われるようになったためかプログラムは「甲状腺癌」一色でした。ちょっと物足りない感じもしましたが,予後がよいためついつい等閑になりがちな甲状腺癌に正面から向きあうよい機会だったかもしれません。
さて,今月号の特集は「前庭機能検査の新展開」です。保険収載されて赤外線眼振検査は一気に普及しましたが,それ以上の精密な検査となると多忙な日常診療ではなかなか手が回らないですね。本特集では重心動揺検査や前庭誘発筋電位(VEMP),そして自覚的視性垂直位検査やHead impulse testなどの新しい検査法を取り上げ,エキスパートの先生がたに解説をお願いしました。久しぶりのCurrent Articleは,浜松医科大学峯田周幸教授による「頸部郭清術後の肩関節障害の予防とリハビリテーションの検討」です。QOL向上のために副神経や胸鎖乳突筋を温存し郭清範囲を縮小する機能的(選択的)頸部郭清術が広く行われるようになりましたが,それだけでは上肢挙上障害は予防できません。リハビリテーションの重要性を峯田先生の総説からぜひご理解ください。
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