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今週は札幌で日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会が開催されました。今年の宿題報告の担当は本誌編集員の東京女子医科大学吉原俊雄教授「唾液腺疾患の病態解明と臨床」と慶應義塾大学小川郁教授「聴覚異常感の病態とその中枢性制御」です。昼は満員の会場でお二人のご研究の集大成を拝聴し,夜は教室員たちと北海道の味を堪能してきました。会場の書籍売り場で既に見かけられた方もいらっしゃると思いますが,お陰さまで本年度の本誌増刊号もなんとか日耳鼻総会に間に合いました。今年のテーマは『急患・急変対応マニュアル―そのとき必要な処置と処方』です。耳鼻咽喉科領域の救急疾患には,急性喉頭蓋炎のように生命にかかわる緊急の対応が求められる疾患,視神経管骨折のように治療のタイミングを逸すると重篤な後遺症を残す疾患が少なくありません。いつ遭遇するかわからない多彩な急性疾患・急変のために,ぜひ増刊号を外来デスクにお備えください。
さて,今月号の特集は「耳管機能障害Update」と「知っておきたい神経内科の知識」です。耳管狭窄症は古くからよく知られる病態ですが,最近では耳管開放症も一般国民に広く知られるところとなり,自ら本疾患を疑って受診する患者さんも増えてきました。そこで,本特集では小林俊光先生をはじめ耳管機能障害のエキスパートの方々に耳管機能障害の病態,診断,治療について解説いただきました。神経疾患については,従来からわれわれ耳鼻咽喉科医は嚥下障害などの疾患に伴う病態の治療を中心にかかわってきましたが,最近,嗅覚障害がパーキンソン病やアルツハイマーの初期症状として注目を集めるなど,病態の診断にも耳鼻咽喉科医の役割が期待されるようになってきました。本特集では神経疾患専門の先生方に代表的な神経疾患について耳鼻咽喉科との関連を中心にわかりやすく解説していただいております。一読下さり,神経内科との連携に役立ていただきたいと存じます。
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