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新型コロナウイルス感染症もいよいよ5月8日から5類扱いになりましたね。国内外の渡航制限も緩和されてきたので,さる3月にインド(アジア太平洋甲状腺外科学会),4月にワシントンDC(国際乳頭腫ウイルス学会)と久しぶりに海外の学会に参加してきました。パスポートをみると2019年3月に韓国に行って以来,実に4年ぶりの海外出張でした。久しぶりに海外出張してみるといろいろなことが変わっていました。以前から米国電子渡航認証システム(ESTA)はwebサイトから取得できましたが,インドもwebサイトでビザを申請できるようになっています。羽田やワシントンDCでは手荷物検査にCTが導入され,パソコンや携帯を手荷物から取り出さなくてよくなりました。新型コロナワクチンの接種証明書もマイナンバーカードがあればスマートフォンのアプリで取得でき,米国入国時には税関申告書の提出も不要。帰国時はスマートフォンでVisit Japan Webに登録しておけば,検疫・税関手続きもかなりスムースになっています。一番驚いたのは,インドの先生たちが発表時間をきっちり遵守していることでした。
ワシントンDCでは,グローバルに展開しているヒト乳頭腫ウイルス(HPV)関連頭頸部がんの研究成果を報告してきました。近年,世界的にHPVが発症に関与した咽頭がんが急激に増加傾向にあります。既にわが国でも中咽頭がんの過半数を占め,米国では子宮頸がんを上回る勢いです。HPVワクチン接種は,子宮頸がんのみならず,中咽頭がんや喉頭・鼻副鼻腔乳頭腫の予防効果が期待されます。わが国でも欧米先進国と同様,HPVワクチンの定期予防接種は男女の区別なくすべての若者が対象となることが望まれます。
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