Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
脈絡膜静脈は,各象限の赤道部にある4個の渦静脈に集まり,眼外に流出するとされている。しかし渦静脈が5個以上存在する事例や,後極部に渦静脈類似の血管が存在する事例が時に観察され,脈絡膜静脈の還流経路は変化に富んでいる可能性がある。正常ならびに各種疾患220眼を対象とし,走査レーザー検眼鏡に+30Dレンズを併用する広角赤外螢光造影およびパノラマ血管像を作製し,人眼脈絡膜流出路を検索した。
その結果,渦静脈は4個ではなく,一眼あたり4〜10個,平均6.5個あった。渦静脈は大,小に区分され,大きな渦静脈は4個で赤道部にあったが,その他に小さな渦静脈や後極部の静脈流出路が発見された。後極部に静脈流出路がある事例は220眼中26眼あり,うち11眼では傍乳頭,5眼では黄斑近くの後極部,10眼では乳頭への流出路であった。後極部に静脈流出路があった例は,軽度の遠視から強度近視までさまざまであったが,-10D以上の強度近視が35%を占め,また両眼性が約60%であった。網膜剥離手術後の1眼で,赤道部の大きな渦静脈に縮小化がみられた。
従来,脈絡膜静脈血の流出路は4個の渦静脈であるというのが定説であったが,渦静脈は4個ではないこと,ならびに従来考えられていたより高頻度に後極部に流出路があることが赤外螢光造影によって証明された。
Purpose: To identify the number and location of vortex veins in the living human eye.Method and Material: We used indocyanine green (ICG) fundus angiography with a scanning laser ophthalmoscope, SLO. A panoramic composite angiogram was made by patching together printed angio-grams for each of 220 eyes examined.
Findings: The number of equatorial vortex veins ranged from 4 to 10, average 6.5 per eye. Posteriorly located vortex veins were identified in 26 eyes: 11 in the peripapillary area, 5 in the perifovea and 10 draining directly into the disc. The refraction of these 26 eyes ranged from+0.5D to -20D, average -8.0 D.
Conclusion: There exist more than four vortex veins in the human choroid. Posteriorly located choroidal drainage routes are an occasional physiological feature, particularly in myopic eyes.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.