特集 眼科基本診療—私はこうしている
緊急処置の実際
急激な視力障害でなにを考えるか
土坂 寿行
1
1東京女子医大第二病院眼科
pp.168-169
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900920
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両眼同時に視力障害をきたすことは比較的稀であり,両眼性の疾患でも通常は左右いずれかの視力障害が先行する。ここでは外傷を除き,主に数時間以内に生じる著しい片眼の視力障害について記す。
急激な視力障害の原因となる部位は角膜から黄斑部,更に視神経から視交叉に至る全ての領域にあり,正確な矯正視力を測定した上で,角膜から順次中枢に向かって検索を進める。ただし,両眼性の疾患でも視力障害に左右差がある場合,片眼のみの症状を訴えることがあるので,健眼の検索も怠ってはならない。以下,組織別に視力障害の原因とその救急処置について記す。
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